お知らせ

第二十一回「お茶と私の詩句発句」入賞作品発表

第二十一回 和香園「お茶と私の詩句発句」には俳句258句、川柳329句の応募があり、下記のように賞が決まりました。
全国のお茶ファンの皆様、そして俳句や川柳をたしなまれる皆様、どうもありがとうございました。
なお、今年のカルチャースクールは開催いたしません。ご了承くださいませ。

❮ グランプリ ❯

◆ 俳句
茶摘籠 地図になき道 歩きをり
浦城亮祐 (奈良県奈良市)

◆ 川柳
AIには わからぬ茶の味 匙加減
折尾祐希(大阪府)
                
❮ 優秀賞 ❯

◆ 俳句
摘み時の まろき茶畑 ひかり満つ
末吉壮次 (鹿児島市)

茶を淹れる 祖母の手に視る 遠き冬
小原田彩乃 (埼玉県蓮田市)

茶香炉の 灯のぬくもりや 居待月
渡辺千鶴子 (南さつま市)

茶の花や 全戸移転の 峠(たお)の邑
園田千秋 (鹿児島市)

◆ 川柳
立腹より まず一服の 抹茶かな
吉松錬 (鹿児島市)

あらびき茶 Z世代も めっ茶好き
梅山すみ江 (神奈川県川崎市)

猛暑日に耐えて日本一のお茶
馬場英俊 (鹿児島市)

❮ 入選 ❯

◆ 俳句
抹茶碗 ぐるりと回し 春を呑む
野口成人 (滋賀県長浜市)

後の雛 啜る番茶の 音涼し
梶浦公靖 (東京都豊島区)

◆ 川柳
絹雲や 薄き茶添ふる 幼児食
板坂良子 (鹿児島市)

茶柱に  一家の柱 嫉妬する
石原呉威 (東京都東村山市)

お茶でもと 誘われ妻と 半世紀
横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡)

★「お茶と私の詩句発句」選評★
審査員 岡田 哲也(詩人)

<俳句>
グランプリの句は、茶摘籠と茶畑の畝、スケールの大きさと人の営みの濃さが滲み出ています。
また優秀賞の「祖母の手」や「茶香炉の灯」からは、ほのかな人肌の温もり、そして「遠き冬」やお月様への遥けさが感じられます。全戸移転の村にも、茶の花は咲く、その面影が浮かぶ佳句です。

<川柳>
昨年は、大谷さん・ウクライナがらみの句が多いでした。川柳もCHATで作れる時代になったのでしょうか。
しかし、匙加減や心の遊びや縁起は大事にしたいものです。そういえば、茶柱が立ったから、宝くじをという同工異曲の句も、4句ありました。
皆、考えることは同じですが、そこからひとひねり加えると面白くなります。 楽しい川柳ありがとうございました。